チラシ裏

私の好きなモノの感想を只管述べているだけのブログです。

凪のあすから23-24話における、気持ちよかった演出。

23-24話における影の演出とか、色々な意味を持ってて気持ちいいなぁと感じた演出が多かったので、感想をば。

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まずはキャラクターの「嘘」の演出としての影。割とどこでも用いられる演出だけど、今回の場合は要とさゆに特に上手く用いられてた。何事にも直球で嘘をつかないさゆの顔にはほぼ影がかかってないし、逆に要はずっとかかりっぱなし。

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んで一番気持ちいいのが、さゆと要のシーンでは徐々に要の顔から影が消えていくんですわ。これが中々素晴らしい。要の心情を上手く表現している演出だった。

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あえて影のままのシーンが一個挟まって駄目なのか!?って思わせてからの上のシーンだから本当ほっとした。影の中での要の独白も素晴らしかった。マリーこんな素晴らしい本書けるのかと失禁したレベル。

凪のあすから 23話 感想 凪あす 4

加えて、今回最高に気持ちよかったのが「好意」の演出としての影。24話において晃はまなかに好意を抱いていることをラブレターという形で描いてる。これを踏まえた上で23話の冒頭の「影踏み」。このつながりから影踏み=好意であることがハッキリと演出として描かれていることが分かる。

 

これを意識した上で、素晴らしいシーンが24話のちさきと要のシーン。

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自分の気持ちに整理がどうしても付けられないちさき(ちさきのいる影自体も恐らく紡への感情+彼女のしがらみの演出だと思います。こっちも面白かった。)に対して要が話を聞くよと言うシーン。

何が切ないってこのシーン。彼の影はハッキリとちさきには届いてない。しかも歩み寄ればそれは届く距離なのに、要は距離を縮めようとしない。彼の思いが届かないことに対する諦観にも似た心情をあますところなく表現されている素晴らしいカット。また、ちさきを求めて影がちさきの方へ伸びているようにも見える切ない演出。いやー素晴らしい。このカットからさっき挙げたさゆとのシーンに繋がるんだから鼻血モノです。

 

24話に関しては演出が神山さんチーム+有頂天家族の吉原正行さんだったし納得の神演出回だったと思うけど、それを踏まえても影ふみによる演出はより良いアイディアだなぁと関心。

あとは、まなかの海の音も恋愛感情のメタファーとしての良い演出だったし、ウミウシの石のくだりは素晴らしいセリフ回し。夜の縁側での美海の決意のシーンも彼女決意を上手く表現している良い演出だった。マリーさんの脚本でここまで素晴らしい出来になるのが意外を通り越して奇跡のように思えるが、とにかくこんな素晴らしい作品に出会えたことに感謝。