チラシ裏

私の好きなモノの感想を只管述べているだけのブログです。

映画「少年は残酷な弓を射る」見た感想

おえーってなる良作。
多分私はこういう作品には自分から絶対出会わないだろう。
少年は残酷な弓を射る [DVD]
終始鬱屈とした雰囲気の作品であまり気持ちのよいものではない。
作品自体がトラウマのようでもあり悪夢のようでもある。
でも、面白い。彼の心境を想像すると中々面白いドラマ。
構成も中々面白く。時系列がバラバラになりながらも、最終的には
ある真相が明らかになる。ある種ミステリーのようでもあり
ある種の不条理さを感じさせるオチには中々くるものがある。
演出は中々素晴らしく、印象的な色使いの演出が妖艶に栄える。
母親の日常や、少年との日常を通して描かれる不器用な愛情が中々面白いなぁと感じた。

ある種のサイコパスの愛のような作品だなぁと私は感じたが
これは見た人によって感想が変わるかなぁと思う。
でも、誰もが絶対に見終わった後に少年について語りたくなるのではないだろうか
そこが、洋題の意味なのではと思うと中々面白い映画だなぁと思った。

個人的には女優さんの演技が素晴らしく、あの微妙な愛情加減の
母親に徹しようとしつつも出来ない自分に罪悪感を感じている母親という
中々面白い役柄を見事に演じきっていると思う。
同様に少年の俳優さんも同じで、彼の得も言われぬ不気味さと
不条理さは見ているこっちの心もキリキリとさせてより一層母親に感情移入できて良かった。

上でも書いたとおりあまり気持ちの良い映画ではないが面白い映画。