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中年による中年のための冒険映画@映画「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」見た感想

ハングオーバーとか21オーバーのようなバカ騒ぎ系のコメディーかと思いきや、アラフォーの冒険映画だった。良作。

ワールズ・エンド [DVD]

何が斬新って、超ろくでなしの中年の主人公が、宇宙人から世界を救っちゃう所。

よくある少年漫画みたいなラノベ的な安易な展開を等身大のろくでもない中年にやらせて、そんなに違和感がないあたりが凄い。

しかも、中年が思い描くであろう昔の仲間との再会や飲み歩きから物語が始まり、それが段々と少年の頃夢見たラノベのような冒険へと繋がるあたりが特に上手い。しかも主人公は若返るわけでもなくひたすら等身大の中年のまま。

つまり、この映画は中年に贈る中年のための冒険映画なのだと感じた。

しかも、こんな破天荒なことをしつつ、ちゃんと人生に惨めさや誇らしさが入り混じっている中年の心情を上手く描いており、都合のいい事ばかりを抱いて生きる人生は空っぽだということを傷に例えて描写していたり、エイリアンの正体が近年急速に発達した科学技術だという中年の視点からみた印象のような宇宙人とか、色々と中年の視点が多分に反映された演出が特に面白かった。

もちろん、エドガー・ライト監督の「ショーン・オブ・ザ・デッド」や「ホット・ファズ」のような馬鹿らしい掛け合いや上手い伏線の数々も健在であったが、何よりこの監督のちょっと真面目というか別の面を今回は見れたように思えた。

若干不満点があるとしたら今回の作品はお馬鹿な傾向が弱めで、シリアス成分多めなので、過去2作品のようにお馬鹿で明るく分かりやすい展開を期待すると、若干違うシリアスさと、分かりにくさに戸惑うかも。つか、多分宣伝の仕方が悪い。ハングオーバー!人気にあやかろうとしたのかしら?