圧巻の山と人間ドラマ、孤高の人1-17巻雑感。
濃ゆい人間ドラマで超面白かったです。
とある内気な少年が山に魅せられ、K2東壁を登坂するまでの人間ドラマを描いた作品でした。
- 作者: 坂本眞一,鍋田吉郎,新田次郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/03/19
- メディア: Kindle版
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1-3巻は学生時代の華々しいストーリーです。ただし、爽やかな青春モノかな?と思わせといて一転。そこからドロドログログロの暗く内気で不器用な主人公と主人公を取り巻く環境との葛藤が延々と17巻まで続きます。地獄かよ。
4-9巻はM14編の人間ドラマとか特に酷く、とにかく濃ゆいエゴとエゴのぶつかり合いに不器用な主人公が摩耗していく姿は見ていてキュンキュンしました。主人公といい主人公の周りの登場人物といい、本当に人間臭さが半端ないのが凄い面白かったです。個人的に好きだったのは医大生の奴。コイツのお陰でサービスシーンがありましたしね!冗談はさておき。凄い強敵ライバルか!?と思ってた奴が色々残念だったり、すごい大物感出してた人は結局空気だったり人生って上手く行かないなぁって思わされるM14編でした。山に行けば一人になれる救われる→山に行っても人間関係に苦しむとかもう酷すぎる。普通に山登らせたれよwwwと思わないでもないでした。
9-13巻のちょっと主人公が山から離れるあたりの安心感たるや!山漫画だけど山に登ってほしくねぇ!ってこれほど思わされる漫画もないですね。山にいい思い出がほとんど無いもんねコレ。花ちゃんのオッパイの方が1万倍も楽しいよ。まぁ山以外のところも辛い話ばっかですが。ヤリマンさんには凄い悲しくなりました。高校生編では正ヒロインだったのに大人になったら性ヒロインになって出てくるんだもんヤになっちゃう。
14-17巻のエベレストのあたりはもう手に汗握る展開でした。神々の山嶺もそうだったけど吹雪と高山病と落石と滑落の恐ろしさが半端ない。特に高所の恐怖感や迫る落石の恐ろしさは画力高い漫画家さんでないと山漫画は描けないんだろうなとつくづく思わされます。どうなるんだろうってドキドキしっぱなしでしたし、神々の山嶺は主人公死んじゃったから、余計ドキドキしました。神々の山嶺と同じく原作がある作品らしく、また元ネタの人もどうやらいるようですね。漫画版と小説版ではどうもオチが違うらしく、後書きを読んでつくづく漫画版を読んでよかったなぁと感じました。あの可愛い花ちゃんが未亡人とか救われなさすぎるやろ!エロいけど!
全体を通して周りのキャラクターの人格が破綻しまくってることが多く、主人公がそのキャラクター達にぶん回されることが多々あり読んでいて辛いところもありましたが(というか8割そうだったような…?)中盤で主人公は良い人たちにも出会えて報われるんですけど、やっと報われたのに、やっぱり主人公は山に魅せられてて、でも、家族は本当に大切でって主人公のジレンマが中々素晴らしく人間ドラマの濃い漫画でした。