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私の好きなモノの感想を只管述べているだけのブログです。

ノンケに恋するレズの葛藤に萌える。ささめきこと1-9巻雑感

久々に長編の王道百合読んだ気がする。ぐぅ面白かった。 

可愛い女の子が大好きな女子高生汐ちゃんと、そんな汐ちゃんの親友であり、ひそかに汐ちゃんに恋している純夏ちゃんの青春ラブコメ作品。

僕が百合漫画を読む中で一つのツボとしているノンケに恋するレズの葛藤が長編で丁寧に描かれていた所は凄いポイント高かったです。前半の純夏ちゃんの葛藤と、後半の汐ちゃんの葛藤どっちも読めて良かったです。あとは、付き合った後のイチャラブがもっと読めると糞満足なんだがなぁ(同棲レズの下りまでが入ると尚の事良し)

登場人物に嫌なやつが一人もいなかったですし、まっすぐで不器用な子が大ポカして顔をグシャグシャにしながら泣いちゃう話が多くて大変萌えました(汐ちゃんも純夏ちゃんも顔グシャグシャにして泣くところは辛すぎて動悸がしたけど)。まっすぐな子のまっすぐな行動って凄く心に直接クるもんがあります。特に後半から出てくる後輩のまゆちゃんとか最高なキャラでした。ポンコツな子ってマジ可愛い。

あと最高なキョリちゃんのぐう聖さもヤバかった。この子がいなかったら辛かった展開もカナリあった。クッソ空気読まないけど、でも彼女は本当に心のオアシスだったよ…。

作者が青い花を好きという所からか、青い花同様レズカップルが高校という小さな社会の中でどのような扱いを受けるのか?とかジェンダー的な話にも重点を置いて描いていたように感じました。それによって二人の気持ちがどう揺れ動くのかも中々読んでいて焦らされて良かったです。正直、朱宮くんの話は酷かったけど(笑)彼の話はこの漫画の中で一二を争うレベルで面白いんだけど絶対本人はトラウマなんだよなぁ。

最後の黒板の「"We" Love You」の下りこそ、この作品の高校での世間体のような話から見ると、彼女たちの存在が終盤でやっと周りから理解され、祝福されたという最高の展開だった訳で、その辺のオチは本当に良かった、そしてそれをやっても何も違和感のないKYのキョリちゃんというキャラクターは本当にこの作品における宝。

あと、漫画的な演出として、無音の演出が大変よろしく、汐ちゃんが初めて純夏ちゃんに対する恋心を自覚してメスの顔になる見開きのシーンや、彼女達の手のつなぎ方の変化、グシャグシャの泣き顔など、静動の静に属するシーンの演出が凄い良かったように思えます。あと構成も凄い良かった。最初の夕方の教室から始まり、終盤の教室の流れとか。

王道を王道として描ききってる良いレズ漫画でした。途中柔道漫画になりかかってましたが、それはそれで面白かったので、まぁよし。次はこのまま彼女たちのその後を読んでみたいです。