チラシ裏

私の好きなモノの感想を只管述べているだけのブログです。

劇場版コードギアス亡国のアキト最終章を見に行った雑感

面白かったです。元々TVシリーズのコードギアスは好きだったので、気にはなっていたのですが、3部作と聞いて完結編が出るまで我慢するのも嫌なので見てませんでした。やっと 最終章が公開されたと聞いたので、見に行く手前に1-4巻を全部レンタルで見てから見に行きました。

面白かった点

まず何と言っても劇場クオリティーなナイトメアフレームの迫力ある地上戦が1章から5章まで盛りだくさんだったところでしょうか。

CGは最近サンライズのロボアニメでよく使われていますが上手くアニメにマッチしてました。ダイナミックなカメラワークと格闘戦はCGならではで大迫力でした。これを大きい画面で見れるだけで劇場に見に行く価値はあったかなぁと思います。ロボットの造形もより派手になり、騎士の馬とか甲冑っぽい装飾がTVシリーズよりも沢山見れたことは良かったです。

 

あとは主人公アキトの兄貴ことラズボスのシンくんの目的が最終章でやっと明かされるところは良かったです。

正直4章までは、なんの目的もない感じの若干殺伐としている残念主人公(セツナからガンダムを引いたようなキャラでした)と、特に理由もなくアキトにいつの間にか惚れるチョロインの二人が主軸に物語が展開されていた為、感情移入しずらく、周りのモブの方がキャラが立っているなぁと感じてしまう始末でした。

しかし、最終章は強烈な強さを見せつけていたボスキャラのシンくんの目的に迫ることを主軸にドラマチックな展開がなされ、ちゃんとオチまでついてスッキリ物語が終わった感じがしました。シンくんが結構良い感じにネジ曲がった優しいキャラクターだったことが分かり、面白いオチだったように思えます。敵がカリスマと愛嬌さえあれば主人公がある程度空気でも作品としては面白く、許される感はありました。

 

モブキャラというか脇役が兎に角魅力的なキャラクターばかりだったのは凄い良かったです。特にアシュレイさんは最初から最後まで良いキャラでした。最初の登場時はサイコなキャラだなぁと思ってましたが仲間思いの本当に良い奴でした。

不満点

まず、圧倒的に主人公アキトとヒロインの掘り下げが足りなかったです。

彼らがどういう理由で悩みどういう理由で立ち向かおうと決心したのか、それは彼らのどういう性格やエピソードが要因となっているのかがスッポリと抜けているためキャラクター像が薄っぺらく感じてしまいました。あと、一応ボーイ・ミーツ・ガールというか、ちょっとラブラブな感じになってるんだから、もう少しその気持ちの変遷を掘り下げて欲しかったです。いまどきラノベでも『いつの間にか惚れている』なんて雑なことはしないです。ヒロインは司令官、主人公は凄腕のパイロットというシチュエーションに根ざした話もあまり上手く機能してなかったように思えます(一応戦場でアキト機がシグナルロストした瞬間にショックを受ける描写は少しはありましたが、もっと山場にしても良いシーンでしたしサラッとしすぎだったかと)

キャラの掘り下げという意味では、ラスボスのシンくんの方が優遇されてました。シンくんの目的を主軸にするならもっとアキトくんはシンくんのことを好いていたり、憎んでいたり、色々と抱え込んでいる感情があったはずですが、それを発露させるシーンがほぼ無かったのは勿体なかったように思えます。勿体無い。ヒロインは主人公を暗黒面オチさせない要素として必要なのは分かりますが、上手くもう少し主人公と兄貴の関係性の掘り下げに尺を割けなかったのかと感じました。

 

あと、カットの合間に唐突に黒いシーンを入れるのは最近公開された傷物語へのオマージュでしょうか(皮肉)なんか微妙にあれで流れがガシガシと止められるので、もう少し上手いやり方は無かったのかなぁと感じました。

その他

個人的な反省点ですが、ヨーロッパの歴史や文化に根ざした名前がたくさん登場しますが、それについてのネタをほとんど無学なため分からなかったのは勿体なかった気がしました。ジャンヌの下りでヒロインが泉の魔女に出会うあたりはジャンヌ・ダルクの話を元にしているのだと流石に分かりましたが、多分他のシーンにもそういうネタが随所に出ていたのだろうなぁと思います。それが把握できなかったのは勿体ないので、頭のいい人のこの映画の感想を今後読んで補完しようかなぁと思いました。

 

あと、スザクとルルに関しても、上手くやり取りの意味が理解できませんでした。これも頭の良い人の考察を知りたいです。何でルルーシュはスザクに水々言いまくってたのかも気になります。スザクくんの冷たい視線にルルが悶える姿は視聴者大サービスでした。若干シュールでしたが。

 

あと、ギアスに関する謎もある程度紐解こうとした今作でしたが、頭の悪い僕には、いまいち要領を得なかった感じでした。ガンダムニュータイプに近い能力とシュタゲのリーディングシュタイナーみたいな話だなぁと感じましたが、どうなのでしょうか。TVシリーズでは超能力の一種的なモノとして描かれていましたが、結局なんだったのかイマイチ分かりませんでした。