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チラシ裏

私の好きなモノの感想を只管述べているだけのブログです。

今更.hack//SIGNの17話「Conflict」についての雑感

本日飲み屋で友人との話で出てきまして、.hack//SIGNは17話を見るためにあるとまで私は豪語しました。そこで、何が面白かったのか説明しようとしたのですが、記憶がおぼろげだったので思い出せずじまいでした。少し悔しいのと、自分自身モヤモヤしたので、もう何回か見なおしつつ雑感をまとめました。

結局17話は何が凄かったのか?

この回をまとめるならば、BTさんが自分の嫌いな事柄に落ち込み、司と少し共感し、立ち直る回な訳です。ただそれだけの回なのですが、2点凄まじいと感じたところがあります。

1つ目は、TVアニメ版.hack//SIGNにおいて背景描写(中の人描写)が極端に少なかったBTというキャラクターを本当に上手く描けた回であったことです。

キャラクター回というのはキャラクターの性格や特徴、エピソードに根ざした話をすることで、更にそのキャラクターを深掘りしたりするものが普通なのですが、深掘りするエピソードや背景が極端に少ないことが特徴のBTさんでこれを成し遂げたことがまず凄い。しかも違和感が全く無いというのが凄いんです。

何故BTが背景を匂わせないキャラクターなのかが上手く紐解かれつつ、彼女の人間性を更に深く掘り、彼女の悩みについても解決するオチまでつけている。結果的に、私の中ではこの1話だけでBTが.hack//SIGNの中で一番人間臭い(司も人間臭いですが)キャラクターに成ったと考えている程です。たった1話だけでコレは神業としか言いようがないです。

2つ目は、しっかりキャラ回として成立させつつ、作品世界のネットゲームにおける人間の意識(魂)の在り方について至る展開が、しっかりSF(少し不思議)アニメとして自然に成立しているところです。

無茶苦茶上手いなぁと関心したのは目隠し鬼=ヘッドギアの繋がりですね。これで全部解決させてるんですよね、BTと司の共感に繋がる流れも、BTが最後にヘッドギアを付けて作品世界におけるネットゲームの空恐ろしい描写もです。特に、この世界観における現実世界の希薄さとネトゲに対する言いようのない空恐ろしさが上手く表現されていた回でした。(OPの脱衣ログイン描写は意識体への還元なのかなぁと考えました)

以降、BTの発言や行動についてのメモ

最初の会話シーンで「ネトゲに現実を持ち込むな」という発言から始まります。

BTのこの考え方はあまり背景(現実)を匂わせない至極BTらしいセリフなのですが、彼女の周りのキャラクターはネトゲに対して背景を匂わせる描写の多いキャラクターが多いので、彼女の考え方の方が特異なのかもしれません。(クリムも似たような考え方ですが、彼の場合は別々にするだけという印象なのと、スバルだけ別ですしね…)今思うとこれこそが彼女のネトゲ上での個性なのでしょうか。

冒頭でのBTのスタンスはネトゲキャラと現実のキャラクターは混同するべき存在ではないし、ネトゲのキャラが傷ついたところで、別に痛くも痒くもないっすよね!!所詮ゲームっすよ!!っていうスタンスだということが「コンセントを抜いたらこの世界は消える。所詮その程度のものだ」というセリフからも読み取れます。

つまり彼女のこの時点での「司の死」とは所詮ゲーム内の出来事であり、そんな真剣になる必要無いよね?という程度の感覚だったんですかね。

しかし、その後の展開で、彼女自身ネトゲの人間関係に苦しむ描写が続きます。所詮ネトゲと言っていたゲーム内において摩耗していくBTさん、早くも自分の発言がブーメランとして襲いかかってきている感じです。特に、ソラさんの煽り性能の高さには笑えました。そして、とうとうPKされそうなところまで話が展開します。

この時点において、BTのMPはゼロな訳ですが、運良く司に助けられるBTさん。当の司にネトゲ内での死について話を聞かれます。所詮ゲームではなかったことを思い知った彼女にとってゲーム内で感覚さえもある司のネトゲ内での死は一体どのようなものなのかと興味が湧いてしまうのは当然のことでしょう。

しかし、司の答えは以外にも軽く「少し空っぽになった自分がぽつんと残る」「別に何がどうなるということでもないし、大したことでもないんだよ。たぶんね」とのこと。その発言に対してBTの答えはレタス。そしてその存在は「嫌うほどの味があるわけでも、臭いがあるわけでもない、ほとんどの人間はそういう、でも嫌なものは嫌で堪らない」とのこと。

結局BTにおける「レタス(現実世界の自分)」は、司における「ネトゲ内での死」なのでしょう。そしてお互いに「他人からすればそれは下らないのかもしれないが嫌なものなのだ」という感覚を共有するに至る訳ですね。「同情してくれるの?」という司の反応からもそれが読み取れます。

そして最後のBTの名前の由来の話。レタスに相当する何かは、分からないままなのですが、最後の描写で彼女自身が現実世界でギアを装着する際に目隠し鬼か…というセリフを言う点から考えて、現実世界におけるネトゲのログイン=司におけるネトゲ内での死=BTになる(レタス=現実世界の自分自身を消す)現実世界の自分自身(もしくはそれに付随するしがらみ)のことなのではないかと考えました。