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私の好きなモノの感想を只管述べているだけのブログです。

濃密で美しい斬り合いと人間ドラマ!無限の住人1-30巻雑感


くっそカッコイイ斬り合いはいかがですか?

ワビサビが堪らない斬り合いてんこ盛り時代劇漫画でした。ざっくり言うと色んな武器同士で戦う殺陣をガッツリ読めちゃう所が良かったのと、斬り合いという殺し合いの中で渦巻く人間関係とドラマが濃密で面白かったです。

1-6巻はよくある復讐劇風時代劇?

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序盤を読み返してみると何だこのチンピラ!?ってなりますね(笑)主人公の用心棒こと相方の万次さんですが、1巻と最終巻では表情のスレ具合がもう別人レベルですね。最初の方は少しバイオレンス多めで、少しお涙頂戴の軽いノリの復讐劇なんですよね。これはこれで面白いんですけど、出てくる敵がどんどんバッタバッタと倒されていくバイキング形式の斬り合いには少し飽食気味になります。

7-13巻ここから一気に面白くなりました

この辺りで日替わりメニューで殺されまくっていた雑魚敵が消え、無骸流、逸刀流、万次さんチームと段々とメインキャラが固まってきます。その分キャラクターの掘り下げが出来てすぐ死ぬ殺陣にもハラハラドキドキできるようになりました。

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あと、凛ちゃんの大冒険やら、尸良さんのキチっぷりが最高に面白かったです。凛ちゃんと万次さんが再開する展開はニヤニヤが止まりませんでした。本当にこの二人結婚しろよ。

14-20巻B級SF映画編

ここで一度殺陣からは遠ざかり、何故かいきなりサスペンス的な話が長々と続きました。無限の住人なのに殺陣があんまりないなんて!!と思わないまでもないですが、やってることのSF感と、それが江戸時代の画でやってることのミスマッチ感が中々面白い組み合わせで結構私は気に入ってます。特に、最後の方のぶっ壊れていく敵の秘密基地の中で大立ち回りなんかは凄いB級映画っぽいじゃないですか。好きです。

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最後の引きも最高でしたしね。

21-30巻神回の連続編

20巻までで無該流もチリチリバラバラになってしまった所にポッと出の六鬼とかが出てくるのですが、そんなポッと出のキャラが戦ってもなぁという気持ちでいっぱいになった訳ですが、蓋を開けてビックリ、万次VS尸良だったり、逸刀流が江戸城攻めをしたり、無骸流筆頭VS逸刀流筆頭だったりと最高に最高をかけあわせたような展開が畳み掛けてくる否応なしに興奮させられる最高の終盤でした。

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このシーンなんかは無茶苦茶印象的でした。本当にズタボロになりながら、それでも刀を持って斬り合うことをやめない、やめられない。この二人が持つものをどんどんと削ぎ落とされていき、清くなっているようにも見える壮絶さと美しさが最高でした。

全部読んだ感想

ストレンジアとか山田監督のたそがれ清兵衛とか好きなら気に入ると思います。序盤こそケレン味が強いですが、終盤はどんどんとシンプルにワビサビの美しさに痺れられる作品でした。