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私の好きなモノの感想を只管述べているだけのブログです。

これが社会に出たレズの生き様@漫画「オクターヴ」読んだ感想

レズ作品ですが、描かれている対象や描写が一風変わった作品。良作。

オクターヴ 1 (アフタヌーンKC)

 レズ漫画にしては珍しくヒロインたちの年齢は19~20?で、社会で生きていく彼女達の生活や仕事、セックス等を重点的に描いている。

これによって学生の百合とはまた違ったリアルなレズカップルの葛藤や心の揺れ動きを描けている。青い花に少し方向性としては近いかも?青い花が青春だったとすると、その後の恋愛をほろ苦く描いていているのが今作という感じ。

複雑で割り切れない人間関係や自身の心の揺れ動きを本当に上手くほろ苦く描いている。単純に行かない女性同士の恋愛や人生が描かれており、それらが登場人物に深みを与えている。社会を生きていくレズカップルという、一風変わったレズ作品としてもオススメ。

特に自分が気に入ったのは青い花よりも周りの登場人物の行動や描写が細かく、地味にリアルなところ。レズもいたり、地元に戻ったら自分の親友に相談したことが噂になってたり、いちいちチクチクと胸を苛む人間関係の細かい描写が小気味良かった。

あと、節子さんが糞可愛い。でも超然としている訳ではなく、彼女も人間なんだなぁと思う弱さがあって良い。人間だもの、多面的であたりまえなんだという彼女たちの様々な顔がどれも魅力的だった。

もちろん私の大好物である、主人公の自分がレズであると自覚しはじめるあたりの葛藤が糞良かった。惜しむらくはノンケに恋するレズの葛藤があんまりなかったことか。